NIPPON QUALITY Corporate Exhibitor

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ウインセス
 【ZERO ペンケース】香川

Success Case Introduction
成功事例紹介

機能性だけでなく、
デザイン性を追求した新しいものを作りたい
ウインセス株式会社が設立された1961年は、高度成長期の真っ只中。家電製品の輸出量が右肩上がりの中、同社はフル稼働する国内メーカーの工場に向けて高品質で機能的な工業用手袋を生産してきました。高度な技術力をもって確固たる地位を築いてきた同社が新しいブランドを立ち上げたのが2018年6月のこと。工業用手袋の素材とその縫製技術から生まれたライフスタイルブランド「zero」です。これまでB to Bに特化してきた同社の、一般消費者に向けてスタイリッシュな商品を開発することになったきっかけや、今後の販売戦略などについて探ります。

INTERVIEW

01 : Information

“付加価値”を求めて、
全く新しい製品開発への挑戦

「国内の技術承継、生産力を保つために縫製工員の増員、代替わりが必要ですが、人員を募集しても応募が少ないのが現状です。今は廃業や生産量が減少する国内の縫製工場の受け皿として機能していますが、明日は我が身の危機感があります」と語る橋本勝之社長。もっと多くの人に縫製業に興味を持ってもらいたい、より魅力的で身近な工場にしたい、という思いが募っていきました。「もちろん、給与も大切な要素です。日本の高い加工賃で生産するのであれば、より付加価値の高い製品を作りたい。という思いから、工場向け商品だけでなく、感性を加えたデザイン性の高い一般市場向け商品の開発に踏み切りました」。
高品質なモノづくりを継承する貴重な国内工場を維持していくことが今後の課題
02 : The Reason

国内も国外も、“新しいマーケット”
という意味では同じ

そうして誕生したのが、外部デザイナーの協力を得て、同社の作業用手袋の素材と生産技術、設備を生かした同社初となる自社ブランド「zero」シリーズです。2018年6月に開催された展示会「インテリアライフスタイル東京」でデビューを果たしました。「作っている人にとっても身近なものを作りたかった」と、橋本社長。フィルムのような素材感でありながら、均一な編み目をもつ極薄の繊維性の織物でできたペンケースやポーチは、思わず手を触れたくなるその不思議な素材感が印象的です。同社にとっては、国内も国外も同じように新しいマーケットであるため、開発当初から海外進出を視野に入れていたと言います。
作り手にとって身近な製品を開発することは、仕事へのモチベーションを高めるきっかけにもなる
03 : Nippon Quality

海外バイヤーはその場でオーダー。
だから、事前の準備が不可欠

ギフトショーへ足を運んだ際に、NIPPON QUALITYのブースを見て、「ここに出展したい」と感じたのがきっかけで、応募することになりました。「出展に向けた準備については、これまでの工場向け手袋とは全く異なる商品、市場だったため手探りでした。デザイナーと協議して商品のコンセプトや魅力を伝えるためのポイントを整理、また展示方法のシミュレーションを行って検討を重ねました」。中でも、最も力を入れたのがプライスリストの作成だったそう。「国内の展示会では、とりあえずバイヤーに商品を見ていただいて、商談は後日、というケースが一般的なのですが、海外のバイヤーはその場で商談に発展するケースが多いのです。権限を持った方が、この日のために来日されているということですよね。だから、その場で発注いただけるよう、中小機構によるアドバイスを参考にしながらわかりやすいプライスリストを作成するよう心がけました」。結果、台湾の高感度なセレクトショップ「未来市」を運営する未来式有限公司との商談が成立。1度では決まらず、2回目の訪問で注文が決まったそうです。その後は、価格表の表示をドルから円決済に変更したり、国内販売価格の提示、商品説明、画像の準備などの書類作成、提出に労力を要しました。
卓越した縫製技術と工業用のユニークな素材を組み合わせた、唯一無二の製品に国内外のバイヤーたちが注目
04 : The Merit

出展することで得られる“気づき”

NIPPON QUALITYに出展して感じた、メリットなどについて尋ねると、「大変良い場所に大きくブースを用意していただいたので、多くのバイヤーを呼び込むことが出来たのではないかと思います。全体のデザインも統一されており、各社の商品が見やすく展示されていました。海外バイヤーを大勢招聘いただき、さまざまな国の意見を短時間で聞くことができました。中には、後日ドイツの展示会で再訪いただいた方もいました。商談をしながら商品のアピールポイントを再考できたり、お客様の気にするポイントなどもわかり、勉強になりました」と、橋本社長は振り返ります。
「バイヤーの意見を通じて知ることができた“消費者視点”が参考になった」と語る橋本勝之社長
05 : Next Stage

展示会を活用することで、
事業のスピードが劇的にアップ

NIPPON QUALITYに出展することは、国内、海外の販路開拓に役立つことを橋本社長は実感していると言います。「普段の営業活動ではリーチできない先へのコンタクトが短期間に行えることで、事業のスピードが劇的に上がっています」。その後も、パリやドイツなど海外の展示会にも立て続けに出展したという同社。経験を重ねる中で、展示会活用のヒントを得ました。「まだ少量ですがオーダーもいただくことができ、海外の展示会出展と、名刺交換できた潜在顧客への定期的な宣伝でアピールを続けていきます。今年の2月に『iFデザインアワード』を受賞したので、そこもアピールしていきたい」と、橋本社長。今後も、日本製品への海外アピール、販路開拓やマッチングに活用していきたいと意気込みます。
デザイン性と機能性を兼ね備えた、ペンケースやコスメポーチ
カメラマン:根津 佐和子 ライター:河合 かおる

企業DATA

ウインセス株式会社 [香川県]
創 業:1937年
所在地:香川県高松市香南町横井464番地1
代表者:橋本 勝之
1961年に設立した、精密作業、クリーン作業用手袋を専門とする作業手袋メーカーの老舗。長年にわたり培ってきた高度な技術力に斬新なデザイン性を融合させたライフスタイルブランド「zero」は、2019年2月に「IFデザインアワード」を受賞するなど、国内外で注目を浴びている。