NIPPON QUALITY Corporate Exhibitor

004
PROGRESS
 【静岡】

Success Case Introduction
成功事例紹介

最先端技術を“NIPPON QUALITYの伝統技術”へ。
狙いを定めた出展戦略で海外販路を拡大!
人工衛生など宇宙開発技術を応用したチタンコーティングでつくられたJewelry Grass〈PROGRESS〉。その七色に輝くガラス製品は、B to Bの工業系メーカーだった株式会社日翔工業が新たな販路を拡大するべく高級ブランドとして開発したプロダクトです。国内におけるB to Cの販路開拓を経て、「NIPPON QUALITY」への出展によって海外市場への進出を果たした同社の工場を訪れ、現在に至るまでの軌跡を辿りました。

INTERVIEW

01 : Information

海外の話題づくりを狙った
ブランディング戦略で
わずか3年で国内市場開拓に成功!

「当社のコア技術であるチタンコーティングの妖艶な輝きを何とか生かすことができないか、と新たな取り組み始めたのが2011年頃のこと。それがB to Bの下請け企業からの脱却を目指す、自社ブランド開発の第一歩でした」。そう語るのは、日翔工業で新ブランドのプロデュースを一手に引き受ける小長井克久さんです。

もともと宇宙開発や自動車など部品加工のOEMを中心に、技術屋として最先端の加工技術を提供していた同社。まず小長井さんが考えたのは、海外で話題づくりをして逆輸入するというブランド戦略でした。「例えば“ハリウッドで流行った”といえば日本人も惹きつけやすい。そこで海外をはじめ、ファッション業界やアートシーンなど感度の高い人たちのアンテナに響くような情報発信を積極的に行いました。彼らは既にその業界にマーケットを持っていますから、我々がゼロからアプローチするより早いんです」。小長井さんの狙い通り、イタリアの美術館やニューヨークの店舗ディスプレイといった案件のオファーが舞い込みました。

その後も、自社ブランドの構築を目指してRoomsや素材展、Magicなど多様なカテゴリーの展示会へ出展し、多様な形状や素材にチタンコーディングを施したプロトタイプをプレゼンテーションを行います。そこで特に商品化の要望が高かったグラスを、ライフスタイルの細部まで確立されたペルソナを想定してブランディングし、高級路線の〈PROGRESS〉として開発。「中小企業総合展 in Gift Show」への出展などを通して、発売からわずか3年ほどで順調に販路を拡大し、実に売上の7、8割を占めるほど急速な成長を遂げました
上:ナノレベルで緻密に計算されたチタンコーティング技術により、七色の輝きを放つJewelry Glass〈PROGRESS〉
下:宝石箱を開けるようなときめきを体感できるようパッケージの形状、素材や色など細部にわたってブランドの世界観を表現。
02 : The Reason

準備万端で挑んだ
「NIPPON QUALITY」を
足がかりに、海外市場へ進出

「ギフトショーへは『中小企業総合展』にも何度か出展していますが、〈PROGRESS〉が海外への販路を拓いたきっかけはやはり『NIPPON QUALITY』でした。初回開催の2016年から2年連続で出展しましたが、その成果を実感できたのは2017年。実際に商談成約につながった案件が多かったですね。1回目の出展で蒔いた種が2回目で収穫できた手応えがあります。継続は大事だと実感しました」と当時を振り返ります。

海外市場進出を見据えていた小長井さんが事前準備に際して特に力を入れたのはディスプレイでした。5つのコンセプトや商品情報を全て英訳してPOP やパネルで掲示してプレゼンテーション。一目で理解できると海外のバイヤーからも好評だったといいます。
「上質なブランドイメージを大事にしながら、来場者の目を引くような工夫を盛り込んで立体的なディスプレイでブースづくりをしました。実際、アッパー層狙いのバイヤーさんからのお声がけが多かったように思います」。比率としては日本人バイヤーが7割ほどだったといいますが、その半数が輸出を視野に入れての商談だったのだとか。同社にとっては、大きな成果のある出展となったようです。
NIPPON QUALITYにおける出展ブースでの〈PROGRESS〉ディスプレイ。2017年は幾何学をテーマに、日本の梁に使う角材を使用して立体的な展示を行った。陳列用什器は、小長井さんのプロデュースにより全て独自に制作。またコンセプトに合わせて自らの装いもスタイングするなど、あらゆるエッセンスに商談の糸口となるエッセンスを仕込んでいる。
03 : Nippon Quality

多様なジャンルの集合体を
ひとつのイメージで魅せる「NIPPON QUALITY」ブースのブランド力

「NIPPON QUALITY」の大きな魅力のひとつは、30社の出展企業をひとまとまりの集合体として見せるブースデザインにもあると小長井さんは語ります。

「100社が参加する『中小企業総合展』と大きく違うのは、参加企業数も約3分の1と少数であることと、コンセプトやブースのデザインにも、より上質な空気が漂っていたこと。特に2017年のブースは全体を回遊できるよう考え抜かれた構造になっていて、さまざまなジャンルの商品も、ひとつのまとまったイメージだったように感じました。〈PROGRESS〉は世界観をとても大事にしているので、商品が映えるブースデザインはとてもありがたかったですね」
海外では特に見せ方が大事。畳のプロダクトと合わせて置くだけでも注目度は格段に変わります」。〈PROGRESS〉はもちろん、静岡のものづくり企業によるブランド〈STYLISH × SHIZUOKA〉でも商品の見せ方、世界感を大切にしている。
04 : The Merit

特定のターゲット層を狙った
ブランディングでアジア圏をはじめ
想定を超える商談成立へ

当初、欧米マーケットを狙ってブランディングをしてきた同社でしたが、「NIPPON QUALITY」出展後に大きな取引として実を結んだのは、意外にも中国の商談だったといいます。

「正直なところ、アジア圏は取引上やブランドイメージの面で懸念していた部分もあったのですが、今回の出展で中国の取引先と商談が成立しました。アッパー層に限定した会員制のオンラインショップで、ブランドイメージを大事にした特設ページを構築してもらって、取引額としても大きな案件となったんですよ。その他にも、シンガポールや中東からもたくさんお話をもらいました」。富裕層に狙いを定めたブランディングがバイヤーの目に留まり、見事に狙い通りのマーケット開拓につながった好事例といえるでしょう。

「また『NIPPON QUALITY』は客観的に見てもより洗練された商品が揃っているように思います。伝統工芸だけでなく、その先を行く次世代のライフスタイルを提案するプロダクトも多いですね。出展者間でコラボ商品の話も持ち上がりました。横のつながりが生まれる可能性に満ちた場でもありますね」
本の最先端技術を誇る町工場が発信する、上質なガラス製品のブランド〈PROGRESS〉と「NIPPON QUALITY」出展の軌跡を語る、同社ゼネラルマネジャーの小長井克久さん。
05 : Next Stage

静岡発のパッケージブランドで
集合体として海外進出を目指す

次のステップとして小長井さんが取り組んだのは、総合展に出展していた地元・静岡の中小企業に呼びかけてプロデュースした、パッケージブランド〈STYLISH × SHIZUOKA〉。現在、ショッピングモールや百貨店などから出展の要請が後を断たない存在となっています。

「今後、ニューヨークに〈STYLISH × SHIZUOKA〉のアンテナショップを出そうという話が持ち上がっています。〈PROGRESS〉単体ではパンチが弱い。やはりさまざまなカテゴリーの商品がクロスする集合体だからこそ人や集まってきます。今後も積極的にブランドのプロデュースを仕掛けていきたいですね」

最後に「NIPPON QUALITY」に期待することを尋ねると、「いつか「NIPPON QUALITY」から巣立っていくようなビッグな企業を目指したいですね。そんな企業が増えると「NIPPON QUALITY」は世界的にもメジャーな舞台としてさらに注目が高まるのではないでしょうか。そして現時点では最先端技術という印象が強い“チタンコーティング”ですが、50年60年後には“これぞNIPPON QUALITYという日本の伝統技術”として昇華させたいと考えています」と小長井さん。「NIPPON QUALITY」で掴んだ海外市場への足がかりから、日本の伝統技術の新しい在り方を築く波が確実に広がり始めています。
取材・文:スクーデリア 瀬上昌子

企業DATA

株式会社 日翔工業 [静岡県]
創 業:2010年
代表者:小長井博夫
立体形状品やガラス素材などにも対応可能な独自のチタンコーティング加工によって、宇宙開発や自動車業界など多様なジャンルにおいて最先端の加工技術を提供。その技術を応用して開発された新ブランドJewelry Grass〈PROGRESS〉で、国内外の流通業界へ販路を拡大している。