NIPPON QUALITY Corporate Exhibitor

002
株式会社アスカム
 【静岡】

Success Case Introduction
成功事例紹介

機械製造業から製品メーカーに転身!
継続出展でセラミック炭製品を海外市場へ
間伐材の新たな可能性を模索・研究しながら独自に開発した素材「セラミック炭」による商品を開発し、製品メーカーとして建材をはじめ、インテリアや雑貨業界にゼロベースから新規マーケットを開拓してきた株式会社アスカム。2度にわたる「NIPPON QUALITY」への出展を経て、さらに販路を拡大するべく海外マーケットへと乗り出した経緯と成功の秘訣を伺うために、静岡にある本社を訪ねました。

INTERVIEW

01 : Information

16年にわたる継続的な
ギフトショー出展で
メーカーとしてマーケットを開拓!

「実は、ギフトショーには創業2年目の2002年から16年連続で出展しているんですよ。当時既に備長炭ブームは終わっていましたし、日本ではさまざまな炭製品で飽和状態でした。でも継続して出展するうちに、中国など海外のバイヤーも立ち寄ってくれるようになったんです」と同社創業前からセラミック炭製品のマネージメントを長年担当してきた松浦弘直さんは語ります。

そもそも同社がセラミック炭のプロジェクトに乗り出したのは1998年頃のこと。木材加工機械を開発製造する横山鐵工株式会社の一事業部として、間伐材を有効活用するためのセラミック炭製造プラントの開発を目的にスタートしました。松浦さんがまず商品化したのは土壌改良や住宅用の建材としてのセラミック炭でした。当時は循環型社会が注目され始めた頃で、木材関連から排出される端材、チップ、間伐材の再利用が高まり、多数視察に訪れたといいますが、なかなか導入には至らなかったのだとか。

「香りを残して嫌なニオイを脱臭する機能に着目して、どう付加価値をつけるかを試行錯誤しました。そこで持ち上がったのが静岡のヒノキを活用した地域資源活用計画でした。単なる建材という域を超え、デザイナーやプランナーと一緒に脱臭&ヒノキのアロマによる空気清浄器『アルーマ』を開発したのです」。それ以降、セラミック炭の脱臭&調湿機能を生かした新しいプロダクトを次々と開発し、2002年から毎年連続でギフトショーに出展。販路を全く持たない状況から、インテリアや雑貨業界へ着々と販路を拡大してきたのです。
「NIPPON QUALITY」出展にあたり、2年目となる2017年は、自社で英語の商品パンフレットを作成。海外からのバイヤーが一目見て分かるよう商品情報や価格も掲載した。2017年の「NIPPON QUALITY」で発表した新製品「炭のハブラシ&炭の富士山」
02 : The Reason

「NIPPON QUALITY」出展で
次のステップへ
いよいよ海外への販路拡大を狙う

炭製品に加え、シルクと遠赤外線効果のあるセラミック炭を組み合わせたレッグウォーマーなど、衣料品も展開して市場に浸透し始めた頃、ギフトショーに訪れたマカオや中国のバイヤーから声がかかり独占契約を結ぶも、思いのほか取引はうまく行かず、数回限りの商談に留まったといいます。

「炭の持つ脱臭&調湿機能には、海外市場での可能性は感じていました。とはいえ英語も得意ではないですしスタッフも限られています。予算を割いてまで海外進出する踏ん切りはなかなかつきませんでしたね。それでもHPに英語の翻訳を取り入れるなど、日本に居ながら海外と取り引きできる道は模索していました。そんなときに出合ったのが『NIPPON QUALITY』だったんです」と松浦さんは語ります。

同社は2016年と2017年9月に2年連続出展。しかも2月に開催の「中小企業総合展in Gift Show」にも継続出展しています。なぜそこまで展示会出展に意欲的なのでしょうか。

「『中小企業総合展』はどちらかというと新商品の発表の場として出展する企業が多いのではないでしょうか。それに対して『NIPPOIN QUALITY』はある程度自信を持って売れる商品を、次のステップとして海外へ出したいという想いが強い。どちらもそれぞれに目的があるので、当社としても両方に出展する意義を感じています」
「NIPPON QUALITY」の2017年の展示風景。「数あるブースの中で1社単独で世界観を伝えるのは難しいが、集合体としての上質感のある世界観に乗せてもらえるのは大きかった」という
03 : Nippon Quality

コミュニケーションツールや
価格設定など、計画的な準備で挑んだ
2度目のチャレンジ

「2016年の『NIPPOIN QUALITY』では、片言の英語では商売にならないという壁を感じていました。ですから2017年はもう一歩踏み込んで、海外のバイヤーさんが見て分かるツールを自社で制作して計画性をもって出展したんです」と松浦さん。その言葉通り、英語の商品パンフレットを用意したり、価格設定を計画的に打ち出したりと準備段階から戦略的に取り組むことができたと当時を振り返ります。

「そしてもうひとつ2年にわたる出展で感じたのは、バイヤーの目線の変化でした。2016年は明らかにインバウンド向けに“爆買いにつながる商品を”という空気が漂っていましたが、2017年はすでに爆買いが収まっていて“どういうチョイスなら商品が売れるのか”というバイヤーの目線を感じました。最先端の商品が集まる展示会の場には世相が反映されていると実感しましたね」
04 : The Merit

継続出展&マッチングに
よって取引が拡大!
大口取引の成立でメリットを実感

出展後の成果としても、2016年は国内3社と海外1社の引き合いがあったのに対して、2017年には中国1社とアメリカ2社と海外の商談が増えたのだとか。

「2017年に引き合いがあったアメリカの1社は、偶然にも前回も商談が成立した会社だったんです。しかも2017年は中小機構さんのマッチングで紹介された会社でした。前回は小売としての小さな取引だったのですが、今回は卸につながって取引がさらに広がりました」と継続出展で得られた成果を実感する松浦さん。

「特に海外の取り引きの場合、いきなり英語の名刺を見せられても、信頼してよいものかどうか不安ですよね。中小機構さんの紹介かそうでないかでは信頼度が違います。出展コストやブースなども魅力的ですが、バイヤーさんの紹介など直接取引に結びつくようなフォローにも『NIPPON QUALITY』出展のメリットを感じますね」
間伐材をセラミック炭に加工する製造プラントの開発から、セラミック炭の製品化まで一貫して手掛けてきた松浦弘直さん。
05 : Next Stage

今後も継続出展で、
一歩一歩丁寧に取り組みながら
着実な海外販路拡大を目指す

「今後も、『NIPPOIN QUALITY』にも『中小企業総合展』にも出展し続けたいと考えています。新商品の手応えを知りたいということや国内外の新規販路開拓という目的ももちろんあります。でもそれ以上に、移り変わりが激しい流通業界のことですから、マーケットの動きを肌で感じていたいという目的が大きいですね」と継続出展の理由を語ります。常に時代を読みながら新商品を打ち出し、新規マーケットを切り拓いてきた同社の原動力は、最新のトレンド商品やマーケットの情報が凝縮された展示会の現場にあるのかもしれません。

「ここ数年の傾向を考えると、自ら海外へ出て行かなくても国内の取引で商品を海外へ送り出すことができるケースが増えているように感じます。大きな夢を見るよりも、これまで日本国内で取引先を広げてきたように、一歩一歩丁寧にやっていくべきだと思うんですよ。コミュニケーション能力を磨いて販路を拡大していきたいですね」と松浦さん。長年つくり続けているアイマスクにも海外で拡販できる可能性を感じているといいます。「NIPPON QUALITY」をはじめとする展示会出展で、国内外のマーケットへ販路開拓し続ける同社の今後の展開にますます期待が高まります。
取材・文:スクーデリア 瀬上昌子

企業DATA

株式会社 アスカム [静岡]
創 業:2000年
代表者:松浦紘一
脱臭・遠赤外線機能・湿気の調節に優れたセラミック炭(機能性木炭)製造しながら、炭及び自然素材を使った建築資材や生活雑貨などの商品開発・販売を手掛ける。ギフトショーへは2002年から16年連続出展。2016年からは「NIPPON QUALITY」にも出展し、さらなる新商品の販路開拓と同時に最新のマーケットリサーチの場としても活用している。