NIPPON QUALITY Corporate Exhibitor

001
hibi 10MINUTES AROMA
 【兵庫】

Success Case Introduction
成功事例紹介

ブランドの根幹とそれを伝える世界観を常に意識し、
「共に育て、共に売る」という「チーム」を作ることが大切。
神戸港という日本の玄関口に近い立地から、1929年に姫路で創業したマッチ製造・販売の会社「神戸マッチ株式会社」。近年はライフスタイルの変化や技術の進歩により、マッチそのものの需要は減少傾向にあるそうにあるそう。そんな中、マッチの持つ機能、「火をつけること」と「何か」を合体させたライフスタイル商品を作ろうと、2015年に、香りのアイテム「hibi 10MINUTES AROMA」は生まれました。「『hibi』がマッチそのものに再び新しい光を与えてくれる」という思いが込められたその商品には、構想の段階から海外進出を見据えてつくられた、揺るぎないブランド戦略がありました。

INTERVIEW

01 : Information

全世界の人を対象にした商品作りと
徹底した販売戦略。

「開発当初から海外への販路開拓はもちろんイメージしていました」そう「hibi」のことを教えてくれたのは、「神戸マッチ株式会社」代表取締役・嵯峨山真史(さがやままさふみ)さん。当初から、今は国内で販売してから海外へ、という時代ではないと感じていた嵯峨山さんは、「SNSの時代で世界に同時発信できるので、ならば並行してやってしまおうと思いました。日本好きな海外の方の興味を引きやすい、日本のレトロ感や、和風といった『日本産感』を強く出す商品ではなく、『擦るという行為、火をつけるという行為を残した、全世界の人の生活に寄り添う商品』を作り、長く暮らしの中で使ってもらうファンを作りたかったんです」と話します。その思いが、プロジェクトメンバーと決めた「hibi」の根幹でした。売り方もそんなストーリーがきちんと伝えられるように、国内での販売においては例外を除いて小売店への「直売」を基本に。そして海外でも、当初の戦略通り1〜2年目は国内同様に小売店への直売を中心として販売ルートを拡大し、3年目以降は信頼を置けるディストリビュータに間に入ってもらうという販売の仕方へとシフトしていきました。

海外での展示会は2016年1月の「メゾン・エ・オブジェ」を始まりとして、今までに3回続けて出展。その理由は、「1年目は新しい出展社ということで注目が集まる。2年目は、『去年出ていたな』とバイヤーが気づくことがある。3年目は、『あ、本気なんだな』と思われる」と聞いたからでした。実際に、3年出展することで、海外のバイヤーとやり方や「hibi」に合った見せ方など、今後について見えてくることがあったそう。「ただ、半分勢いもありますね。(笑)」と当時のことを笑って教えてくれました。実際にこれがきっかけとなり、フランスをはじめとした海外への販路開拓に繋がっていきました。
リビングにそっと香りを添える。そんな癒し効果のある「hibi」。マッチの擦るという感覚も今では懐かしいものになりつつある。
02 : The Reason

ブランド価値を守ること、
そして「対海外」のための万端な
準備は必須。

2014年の秋頃、「hibi」のブランディングプランを作ろうかという時に、専門家の意見を聞きたいと思い、中小機構の専門家派遣を利用したことが中小機構との始まりでした。その後、2017年の「NIPPON QUALITY」の案内が目に止まり、「ディストリビュータとつながること」を目的として参加したそうです。「特に『hibi』は商品のストーリーが大切な商品なので、雑多な印象になり世界観が伝わりにくい、団体ブースには出展しないつもりでした。ただ、『NIPPON QUALITY』の案内を見たら、ゾーニングもしっかりしていて、格好良かった。そして選定基準もあったので、これなら出てみたいな、お得だな、と思い応募しました」と嵯峨山さん。海外向けの価格表や、パンフレットなど、すでに海外に向けての用意はしてあったため、既存のツールの中からセレクトして出展。「海外のバイヤーさんは特に、『資料は後で送ります』なんて言ったら、勝機を逃しますよ。しかし僕は、文章英語しか無理でリアルタイムで反応ができない。なのでなおさらしっかり事前に用意をしました」
仕入れたその先がイメージできる特注の展示台。綺麗に整列し取りやすく見やすいこだわりの仕様。
03 : Nippon Quality

一緒に売っていくという
信頼できる仲間をつくる。

すでに取引していたバイヤーさんも居ましたが、「NIPPON QUALITY」に出展して、現在海外に向けては2社話が進んでいます。「NIPPON QUALITY」で事前におこなわれた、出展社とバイヤーをつなぐ「事前マッチングサービス」も商談前にお互いが知れるということでやりやすかったとのこと。「全米でおよそ800店舗にネットワークを持っているというアメリカのディストリビュータと繋がりました。『hibi』が海外でどのように見えるかという市場調査したいとのことで、今年2月の『NY NOW』とラスベガスの商談の際、彼らのブースの中でテストマーキングをさせて頂きました。実際にマーケットがあるかどうか見極めるという、プロの方らしいお申し出に嬉しくなりましたよ。そういう本気の相手と仕事がしたいんです。その後、既存のお客さんにも反応があったようでぜひやりたいとの話が。現在、最終の詰めを行っています。また、「NIPPON QUALITY」の会場で、オーストラリアのセレクトショップと繋がることもでき、オーストラリアでのディストリビュータとしての打診がありました」と嵯峨山さんは話します。
04 : The Merit

相手は何を求めているのか、
バイヤーの気持ちになること。

今まで海外の展示会に出してきた「神戸マッチ株式会社」。「NIPPON QUALITY」に限らず、対海外に向けた展示会全般で、学び・対応してきた一つの進化例が、ディスプレイ作りにあります。初めはディスプレイなんて全く考えてなかったそうなのですが、バイヤーが「hibi」を手にとって机に戻す際、展示台がぐちゃぐちゃになってしまうのを嫌がる顔を見て、「海外の方は日本の方よりも、細かくて面倒なことが苦手なのかもしれない」と気付いた嵯峨山さん。実際に「きれいに整然と並べられるようなものがあればいいのに」という声も多かったと言います。ショップに並んだ時の良いイメージをバイヤーに見せることができれば、もっと買ってくれるのではないか。そして商品が自身の手元を離れても、自分たちが描く商品イメージが崩さないことへ繋がると思い、実際に店舗で売られるシーンまでオールプロデュースする商談方法を思いつきました。これが見事に刺さり、問い合わせも増えていきました。
お話を伺った、「神戸マッチ株式会社」代表取締役・嵯峨山真史さん。
05 : Next Stage

視野は広く持ち、
「展示した後が一番大切」だと
いうことを忘れない。

今後の海外販路の開拓や施策を尋ねると、「今後も売り方は変えず、『NIPPON QUALITY』のように、暮らしに寄り添うという「hibi」という商品の空気感、世界観を守ることができる展示会に出て、ディストリビュータを探していこうと思います」と嵯峨山さんは話します。これから海外へ挑戦する方へは、「商品をきちんと伝えることができる用意は当たり前。そして日本で売るときにでも言えることですが、展示会はきっかけであって、出展したことがゴールにならないようにすることが大切です。また海外のバイヤーと付き合う際に相手の『レスが早いかどうか』が、僕にとって、その人と『仲間』になるかのポイントのひとつでもあります。単純ですけど、これ、結構正しいです」とのこと。マッチ業界を思い、「今のままじゃいかんから、はよせないかん」という本気度と、チームで作る「hibi」の徹底したブランディング、その全てが、言語の壁を超えて海外へとファンを増やしている理由だと感じました。
取材・文:竹中あゆみ

企業DATA

神戸マッチ 株式会社 [兵庫県]
創 業:1929年
所在地:兵庫県揖保郡太子町鵤414番地
代表者:嵯峨山真史
約90年にわたるマッチ製造のノウハウや技術を生かして、「擦るという行為」、「火をつけるという行為」を残した、お香スティック「hibi 10MINUTES AROMA」を展開。開発のタイミングから国内外問わず、全世界の人の暮らしを対象とし、新たなライフスタイルの形を提案している。